ワキガ・多汗症・黄ばみの治療法

デオドラント(deodorant)は本来、「防臭効果のある~」という形容詞ですが、 現在では主に体臭や汗の臭いを防いだり、取り除いたりする薬剤という意味で広く 使われています。

その形態にしてもスプレー、ミスト、液、固形状の糊、ゲルなどのほか、デオド ラント成分を不織布や紙などに染み込ませたシートや粉末など、さまざまなものが 出回っているのは皆さんもご存じのことでしょう。

テレビのCMでも、お出かけ前や運動のあと、お風呂上がりにご使用くださいと、 その効果をアピールしていますが、こうしたデオドラント剤では解消できない深刻 な”症状”をお持ちの方が数多くいらっしゃいます。

それがワキガで、正式には肢臭症(えきしゅうしょう)と呼ばれるものです。

その原因は本文で詳しく解説しますが、簡単にいうと皮膚のアポクリン汗腺から 分泌された汗が細菌によって分解されて、強い臭いを発生させます。

日本人は臭い、あるいは匂いに敏感で、特に強い臭気のものを嫌う性質を持って います。食品については納豆やクサヤ、ブルーチーズなど、周囲の人から「おいし いから食べてみれば」と勧められても、その強烈な匂いのために手が伸びなかった という話をよく聞くはずです。

人間に対しても好ましいものの表現として「風呂上がりの石鹸の香りがする」 フンヤンプーの香りがするようないい女」というように、香りに関しては清潔感を 重視する傾向があります。

しかし、ワキガは不潔であるために発生するものではなく、その人の体質による ものです。「一日に何度もお風呂に入ってからだを洗ってもワキガが消えない」「デ オドラント剤を数多く試してみたけど、ワキガが解消されなかった」など、績臭症 の方は深刻に悩んでおられます。

とくに最近は過剰なまでの「無臭・消臭ブーム」で、衣類や室内の消臭スプレー だけでなく、日臭除去剤、さらには 加齢臭を消してくれるサプリメント や石けんまでもが人気になっているはどです。

さらには嫌煙の風潮も、タバコの副流煙による健康被害よりも「あの臭いが我慢 できない」というように、独特な臭いが強く嫌われているのではないでしょうか。

「いくら美人でスタイルもよくって、性格がいい人でも、あの臭いじゃねえ」  と多くの男性が日にするように、女性もまた男性に対して、あるいは同性に対し て同じような臭いに対する嫌悪の感情を抱いています。

このように現代社会では、「臭いを発する」ということが強いタブーとなってし まっています。つまり、いかに他人に対して不快感を与えないかということが、コ ミュニケーションの大前提となっているのです。

さて、私はこれまで1000例近くものワキガ除去手術を行ってきました。  カウンセリングの時に手術について説明すると、多くの方々は「痛くないですか」 「手術痕が残りませんか」「再発することはありませんか」と不安を訴えられます。

しかし、手術の内容、麻酔方法、手術後の通院はあるのか、どれぐらいで日常生 活に戻れるのかを詳しく説明して納得された方々は、手術に臨まれました。

その結果、「あれだけ悩んでいたワキガがウソのようになくなった」「こんなこと なら、もっと早く手術を受けるんだった」「これまでと人生観が180度変わった」 と高い評価をいただいています。

ここでは、ワキガ・多汗症はどのようなものか、その原因と治療法は、賢いクリ ニック選びは、というように書き進めて行こうと思っています。

ワキガという悩みを一人で抱えるのではなく、勇気を出してドアをノックしてみ ませんか。ここがその一助となることを願ってやみません。

担当替えの現実に奮起したBさんのケ-ス

Bさんは三十代の前半の男性で、見るからに体育会系のがっしりしたからだをしています。学生時代はラグビーの選手だったということで、お顔もなかなか精悍なものでした。

仕事は印刷会社の営業で、都内の複数の出版社を担当されています。当院にいらしたBさんをカウンセリングしました。

開口一番、Bさんは「汗と臭いをなんとかしてはしいんです」と、強い口調でおっしゃいます。そのお顔は真剣そのものでした。話を進めていくと、Bさんの取引先から「担当を代えてはしい」と申し入れがあったということです。

その理由について、Bさんの上司がたずねると、取引先の担当者であるS課長は「いや、ちょっとね」と口をにごします。

上司にしてみれば、Bさんがどんな失敗をしたのかと心配になって先方を訪ねると、S課長は「Bさんはよくやってくれているんで感謝しているんですが、......臭いがね。困っているんですよ」と申し訳なさそうに言ったといいます。

その出版社は女性が多く、近代的なオフィスということです。社内禁煙は徹底しており、オフィス内はクリーンな環境が白慢だとか。
 そこにBさんが現れると、空気が一変してしまうといいます。近くをとおりかかっただけで強い臭いが感じられ、ワイシャツを汗びっしょりにしているBさんを見ると、気持ちが悪くなってしまうと複数の女性社員から訴えがあったというのです。

「Bさんは仕事ができる人なんで、私としてはこのまま担当でいてほしいんだけど、女性社員の声も無視できなくて」

とS課長が困ったように言われたとか。

気になった上司は、はかの取引先にも顔を出したところ、担当を代えてくれという申し入れはなかったものの、どこもBさんの臭いと多汗には閉口している様子です。そこで、このまま理由を説明せずに担当替えをしてもBさんが納得しないだろうと、上司はBさんを呼び出して、「なんとかならないか」と言ったそうです。

Bさんは大きなショックを受けました。

学生時代は男ばかりで、皆が揃って汗臭く、「男が汗臭いのは当たり前」と思っていたからです。社会人になっても、そうしたお友達と集まってはお酒を飲んでいたために、自分の臭いや汗が周囲に不快感を与えているなんて思ってもいなかったといいます。

しかし、それから複数の友人と集まって飲んだとき、「取引先から庭いっていわれて、担当から外されそうなんだ」と打ち明けたところ、友人たちは「やっぱり」というような顔をしたそうです。

Bさんが気づかなかっただけで、周囲は以前からBさんの臭いのことを困ったものだと思っていたといいます。

「お前の臭いは汗臭いっていうんじゃなくって、なんかネギが腐ったような臭いなんだよな」

ここでもBさんはショックを受けます。


TOPPAGE  TOP