結婚式を前にして決意した方のケース
Aさんは二十代の後半ということで、お母様とご一緒に来院されました。
詳しくお話を伺っていると、2ヵ月先に3年間交際した彼と結婚する予定だといいます。「それは、おめでとうございます」と言いかけたのですが、母娘ともに浮かない表情です。
それもそのはずで、ご本人の希望は「結婚式までにワキガを治したい」というものだったからです。これまで数々のデオドラント剤を使用し、エステにもかよわれたということなのですが、一向にワキガは消えません。
ついに困り果てて、クリニックのドアをノックしたということでした。Aさんのご友人が、当クリニックでニキビの治療をされたことがあり、「あそこなら安心だよ」ということで、ご紹介いただいたものです。
たしかに、ジャケットを脱がれたときに、腋の部分に汗取りバッドが装着されていました。しかし、臭いはそれはど強く感じません。これなら十分に許容範囲かと思って、Aさんにご希望を伺ったところ、 「絶対に、臭わないようにしてください」と、強くおっしゃいます。私か「それはど、気にされるようなものではないと思うのですが」と申し上げたのですが、頑として首を横に振られます。
Aさんいわく、「彼とは社内結婚で、恋のライバルは多数いた」「結婚式には、そうした人たちも招待しなければならない」「これまでも、その人たちから私のワキガ臭のことを悪く言われていた」「披露宴のキャンドルサービスのときに、テーブルを回ったら嫌がらせしてやると噂が飛び交っている」とのことです。
そのため、せっかくの晴れ舞台を前に、すっかりウツになってしまったというのです。
着用されるウェディングドレスの選定も、まだ迷っておられるということで、「腋が開いたタイプでは臭いが直接、もれてしまう」「スリーブがあるタイプだと、汗ジミが心配」ということで、一層、悩みが深くなってしまったとおっしゃいます。
私か「じゃあ、汗取りバッドを見せていただけますか」と言うと、しぶしぶながらそれまでジャケットに装着されていた汗取りバッドを見せてくれました。
来院される少し前に化粧室で汗取りバッドの交換をされたということでしたが、たしかに汗取りバッドは重く濡れています。典型的なワキガと多汗症の併発タイプでした。
私か「彼は、ワキガ治療のことを知っていますか」と聞くと、「話していない」とおっしゃいます。彼はそういうことに無頓着な方で、周りがAさんのことをワキガ臭が強いと陰日を言っても、いつも庇ってくれていたそうです。
しかし、お母様は「今はよくても、将来、なにかのはずみで喧嘩になったときのことを考えると......」と、心配げな顔をされます。お母様の心配は、もっともなことで、いくら夫婦であっても、いいえ、夫婦であるからこそ、そうした部分のケアは重要です。
結局、Aさんはハイブリッドマイクロシェーバー法でワキガと多汗症を治療され、ウツも解消されて復帰されました。「こんなに簡単に終わって、大丈夫なんですか」と、Aさんはおっしゃいましたが、ハイブリッドマイクロシェーバー法はこれまでの私の経験から、最良の術式と言えます。
もちろん、再発することもなく、結婚式の披露宴では堂々と主役を演じることができたと、後に礼状をいただきました、
人生にはいろいろと節目があり、それを機にこれまで悩んでおられたワキガや多汗症を治療しようという方が少なくありません。Aさんの場合、披露宴で恥をかきたくないという動機が、手術を決心されたということになるのですが、それはAさんにとって、そしてAさんの彼へ現在は、ご主人ですが......にとって最良の選択だったように思います。
どれだけ熱い愛も、いつかは冷めてしまう。
これは悲しいことですが、現実でもあります。Aさんは「披露宴で恥をかきたくない」とおっしゃいましたが、その実、夫になる人にワキガや多汗症でなくなった自分を見せたい、そうなった状態の自分で、嫁ぎたいという強い意志が感じられました。
ワキガや多汗症という心のハンデを背負ったまま、嫁ぎたくないという気持ちがAさんに手術を決心させたものと私は思っています。
Aさんに限らず、ワキガや多汗症の治療は、人生のなにかの転機で決心される場合が少なくありません。
それはAさんのように結婚である場合や、入学、入社、転勤など、人生の節目で、これまでの白分と決別するべく手術に臨まれるケースが数多く見受けられます。ワキガや多汗症は不快でありながらも、他の疾病のように痛みを伴いません。
そのため、「まだ、大丈夫だろう」「手術なんて決心できない」となり、治療が遅れがちになるのですが、思いきって決心することで、これまでとは違った人生を歩むことができます。
コップレックスを抱えたまま人生を送るのか、それとも決意して違った人生を選択するのかは、あなた次第なのです。
- 担当替えの現実に奮起したBさんのケ-ス
最近ではスポーツジムに通うようになり、汗を流した後は、必ずシャワーを浴びるようにしているとか。「取引先や上司、友人たちから臭いって言われたときはショツクでしたけど、最近では臭わないってことで、仕事にも自信のようなものが出てきました」と答えてくれました。 - 結婚式を前にして決意した方のケース
人生にはいろいろと節目があり、それを機にこれまで悩んでおられたワキガや多汗症を治療しようという方が少なくありません。 - まだまだ多い、美容外科に対する誤解
多汗症に関しても、ある日、突然に多汗症になってしまうのではなく、「なんだかわからないけど、掌の汗がすごくなってきたように思う」と、おっしゃられる方が少なくありません。